【ICT教育について考える】変わる教育現場、ICTはなぜ必要か?~社会情勢と学校教育の未来~

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こんにちは、ざわです。

今回はICT教育について心理師が思ったことを書いていこうと思います。

実は過去にもICTについて触れていたのですが、今回はそれをより具体的かつ分かりやすく深掘りをしていこうと思います。

はじめに

技術革新が目まぐるしい現代において、教育現場もまた変革の波にさらされています。 AI、IoT、ビッグデータなど、新たな技術が社会を席巻し、私たちの生活や働き方を大きく変えようとしています。

そんな中、子どもたちが未来を生き抜くために、学校教育ではICT(情報通信技術)の活用が不可欠となっています。

僕も過去に学校現場でお仕事をしていた時期がありましたが、既に地元の小中学校では全クラスにiPadが支給されていました。コロナ禍がきっかけだとのことでした。

本記事ではICT教育の必要性を、社会情勢の変化と学校教育が抱える課題の両面から掘り下げていきます。

1. 社会情勢の変化とICT教育

1.1 グローバル化の進展

グローバル化が加速する現代において、異文化理解やコミュニケーション能力は必須のスキルとなっています。

ICTを活用することで、海外の学校との交流や、多様な文化に触れる機会を増やすことができます。

特に翻訳アプリや海外のニュースサイトがより身近に普及したことによって、子どもたちも日本だけでなく世界を視野に入れた情報を入手することができるようになってきています。

また、基本的な外国語の知識も必要ですが、習慣として日本語以外の言葉に触れることで意味や文法の仕組みを理解する手掛かりにもつながります。

1.2 情報爆発と情報リテラシー

インターネットの普及により、私たちは膨大な情報に日々触れています。 その中には、真偽不明な情報や偏った情報も存在します。

情報リテラシーを養うことで、子どもたちは情報を批判的に吟味し、適切に活用する能力を身につけることができます。

これは本当に義務教育に入れておくべき内容だと思います。
昨今のSNSトラブルは最悪の場合、刑事事件に発展するほど大きくなるケースもあります。

日頃から何が正しくて、何が必要なのか。この情報選択能力は生きるためのスキルだと僕も考えています。

1.3 産業構造の変化と求められる能力

AIやロボットの進化により、単純作業は自動化され、人間にはより高度な思考力や創造性、コミュニケーション能力が求められるようになっています。

ICTを活用した探求学習や協働学習を通して、これらの能力を育成することが重要です。

やはり誰でもできるような仕事はいずれ淘汰されていくでしょう。

特に事務職や販売系の仕事は既にクラウドシステムやコンピュータロボットに置き換えられてきている印象です。

時代に合わせて便利なツールを活用することは、既に当たり前の社会となっているのかもしれませんね。

そうなると今度はそのコンピュータを操作できる人材が求められます。

ICTスキルの高い人ほど需要が増えていきますが、レベルも上がってきているために日頃の学習が重要となってくるでしょう。

1.4 学びの多様化と個別最適化

子どもたちの興味や関心、学習スタイルはそれぞれ異なります。

ICTを活用することで、一人ひとりの学習進度や理解度に合わせて、個別に最適化された学びを提供することができます。

これは教育や福祉の現場では永遠に議論されるテーマだと思います。

およそ80年前(学校教育法は1947年3月31日に公布)のように少数の教員が大人数の生徒を指導し、学びを受ける環境は今では先進的ではないと言えるでしょう。
それぞれ個々の能力に合わせたトレーニングを行うことによって発達段階に適した成長が期待されます。

続いて、その学校教育の抱える問題について触れていこうと思います。

2. 学校教育が抱える課題とICT教育

2.1 従来の教育の限界

従来の画一的な教育では、子どもたちの多様な才能や個性を十分に伸ばすことが難しい状況です。まだ板書したものをノートに写しているのかと思うと心が痛みます。

ICTを活用することで、子どもたちの興味や関心に応じた多様な学びを提供し、個性を伸ばすことができます。

2.2 教師の負担軽減

教師の業務は多岐に渡り、長時間労働が常態化しています。
ICTを活用することで、教材作成や採点業務の効率化、子どもたちの学習履歴の管理など、教師の負担を軽減することができます。

未だに成績記録表を紙で出力して、それを手作業で記録するのは本当に手間も時間もかかります。大人数の児童生徒を教師数名が管理するシステムを維持するためには、マンパワーがないとそもそも不可能です。

こうした難しい業務を減らすことが最優先となってくるでしょう。

2.3 教育資源の格差

地域や家庭環境によって、教育資源に格差が存在する現状があります。 ICTを活用することで、どこに住んでいても、質の高い教育コンテンツにアクセスできる環境を整備することができます。

例えば塾や家庭教師など教育事業を行っている会社も、地方によって偏りが出ています。立地や経済的な理由で学習の機会に差が生じてしまうと、果たしてこの義務教育の期間で全ての子どもたちに等しく教育が行き届いていると言えるのでしょうか。

もちろん教師側が動くのも大変です。そこで、インターネットを駆使してオンラインでの学習の機会も増えると、場所に囚われずにいつでも学ぶことができます。

2.4 アクティブ・ラーニングの推進

教師から教わる知識の詰め込み型教育から、子どもたちが主体的に学び、思考力を養うアクティブ・ラーニングへの転換が求められています。

これは本当に必要で、大人になってからいきなり主体性を求められる社会では今から始めても遅くない取り組みだと言えるでしょう。

つまり、ICTを活用することで子どもたちの積極的な学びを促進し、深い理解へとつなげることができます。

3. ICT教育の具体的な活用例

実際にICT教育を活用した具体的な事例を考えていきます。

3.1 授業での活用

  • 電子黒板やプロジェクターを活用した視覚的な授業
  • タブレット端末を活用した個別学習や協働学習
  • オンライン教材や学習アプリを活用した反復学習
  • VR/ARを活用した臨場感あふれる学習体験

電子黒板やプロジェクターがあれば、授業準備もかなり効率よく進めることができます。

一番のメリットは汚れないという点です。これにより掃除することもなくなるので、掃除の割り振りも他の場所に補充出来て早く掃除時間を終わらせることできます。

また、義務教育で教える内容はそこまで大きく変更されません。これまでも一定の期間で教える内容はほぼ固定だったため、一度そのデータを作ってしまえば将来的に授業準備をすることもなくなるでしょう。

また、VRやARの活用ですが、現実的に導入するならARの方が良いかなと思います。

ARならプロジェクションマッピングの技術を使って少ない機材で実現できます。
画面酔いを起こすこともないため、そういう面でもARでの体験学習が望ましいと考えます。

3.2 校務での活用

  • 学習管理システム(LMS)を活用した学習履歴の管理
  • クラウドを活用した教材作成や情報共有
  • Web会議システムを活用した保護者とのコミュニケーション

学習管理システム(LMS:Learning Management System)はしっかり体制を取っておくと、全教員が短時間で扱えるようになるため、最初の準備が肝心です。

授業のフィードバックがデータとして可視化されると一人ひとりの傾向と対策を掴むことができるため、保護者にも納得のいく説明ができるようになります。

また、クラウドシステムを使うことで教材の共有がスムーズにできます。
これにより教師間で単元ごとの教え方や、宿題として出す際のポイントなどを教え合うことができるので、より質の高い教育を提供することが期待されます。

そしてWeb会議。これの課題は各家庭にインターネット環境とPCやスマートフォンなどの機器の普及と言えるでしょう。
それさえクリアできれば日程調整も柔軟に対応することができ、子どもの様子をしっかりと聞くことができる体制が整えられます。

特に授業参観については、保護者が自宅から学校での子どもの様子を見られるようにすると負担も減ると考えられます。
子どもも後ろにいた親の存在を気にせず、普段の過ごし方ができるので、学校での『ありのままの姿』を知ることが可能です。

3.3 家庭学習での活用

学校生活において頭を悩ませる家庭学習。以下に挙げられる活用例と解説を行います。

  • オンライン学習教材を活用した自宅学習
  • プログラミング学習ツールを活用した創造性育成
  • 電子書籍を活用した読書習慣の育成

オンライン学習やプログラミング学習は諸事情で学校に行けない子どもにも効果的です。
そもそも教材を全てデータベース化することで、あの重い教科書や資料集を持ち歩くことがなくなります。
紙をめくる時間よりも、何をどうやって調べたら良いか機械の操作方法を身に付ける方が今の時代に適しているのではないでしょうか。

もちろん辞書は今でも大事です。
調べ方さえ分かれば、それはPCでの検索エンジンの使い方にも使えます。

電子書籍についてですが、これは賛否ありそうです。

というのも、今までの紙読書がダメということがあまりないからです。
強いて挙げるならかさばることくらいなので。
電子書籍はそれがなくなりますが、問題は『飛ばし読みが面倒くさいこと』です。
また、充電しないと読めないので機械面においてネックな部分が浮き彫りになりやすいでしょう。

結論:読書は自分が楽なやり方を選んでOKです。

4. ICT教育の推進に向けて

このように様々な活用例を挙げる一方で、実現しなければ意味がないです。
なので、これらに必要なものは何かを考えていきます。

4.1 環境整備

  • 高速インターネット回線の整備
  • タブレット端末などのICT機器の整備
  • ICT支援員の配置

簡単に言えば

①通信ができること
②通信ができる機械の用意
③その機械を扱える人

この3要素が欠かせません。

特に③の機械を扱える人はそれぞれ以下のように

①学校のICT教育においてシステムを扱える人
②教師に向けて研修や問い合わせ対応ができる人

といった具合で配置するのが望ましいと思います。

4.2 教師研修

  • ICT活用に関する研修の実施
  • ICTスキル向上のためのサポート体制構築

ICT担当の職員を公務員として配置するくらいでないと、継続的に運営することは厳しいかもしれません。今こそSEの力が必要な時代だと思います。

4.3 保護者連携

実は民間の教育事業や福祉事業の中には保護者との連絡事項の共有のためにICTを使ってやりとりをしているところが結構あります。理由は以下の通りです。

  • ICT教育に関する情報提供→これまでの連絡帳を進化させる
  • 家庭学習でのICT活用支援→オンライン学習の促進につなげる

つまり、条件さえ整えば学習はこれまでより効率良く、深く学べる環境が出来上がることになります。
もちろんそれまでの教育も重要ですが、一部は時代に合わせた教育も必要になります。

4.4 教育内容の見直し

例えば時代に合わせた教育はこんな感じです。

  • ICTを活用した探求学習の導入→まずはGoogleの使い方を勉強する
  • 情報リテラシー教育の充実→ネット間でのトラブルを最小限に減らす
  • お金の勉強→課金やサブスク、税金などの仕組みを深めて生活を見直す

プログラミングももちろん大事ですが、そもそも生きるための教育があまり充実していない印象です。今ではどうなっているのでしょうか。
段々と必修科目や履修対象が広がっていると思いますが、いつまでも同じやり方では通用しないというのは社会が物語っています。
置いていかれないように、置いていかれそうな人たちもまるごとサポートする社会があってこそ進化は続いていくと思います。

5. まとめ

ICT教育は、子どもたちが未来を生き抜くために不可欠なものです。
社会情勢の変化に対応し、学校教育が抱える課題を解決するために、ICTの活用は避けて通れません。

政府、教育機関、教師、保護者が一体となってICT教育を推進し、子どもたちの未来を明るく照らす必要があります。

もちろん大人になっても安心して過ごせる社会を作るために、我々も一緒に頑張っていきたいですね。

色々書きましたが、今回はこのあたりで終わろうと思います。