こんにちは、ざわ(@grow78374)です。
好きなタイプは「真面目な人」です。
人間のパーソナリティーは多種多様で、複雑なものであることは承知の上ですが、ある時を境に急激に普及したネットスラングを見つけたので、今回はそれについて考えてみようと思います。
それは「ツンデレ」です。
ツンデレの概要
ツンデレとは、特定の場面において敵対的な態度と好意的な態度の二つの性質を持つ様子、状態のある人物を指すものとして使われています。
元々はギャルゲーの登場キャラクターの形容に用いられる用語であったが、2005年頃からは一般の人々の間でも使われるようになった。
「ツンツンしている面」と「デレデレしている面」の二面性をあわせもつ人物がいて、その二面性のギャップが当人の魅力を効果的に引き立てている場合にツンデレと呼ぶと説明されることが多い。しかし、もともとのスラングとしてのツンデレは「もともと好意を持っているが照れ隠しとして冷たく接している女の子が、あるときを境にそれ以降は素直に甘えてくる」という設定をさすものであって、性格のギャップによる魅力を示す表現ではなかったと指摘される場合がある。
このように、対極的な性格、行動をとることからたびたび誤用されていたということもあります。
用語の定義としてはまだ不確定らしく、いくつか事例があるのでこれも紹介しておきます。
例えば
用語辞典などで掲載された「ツンデレ」の事例集
- 日常ではツンとしているものの、思いを寄せた人と二人きりになると、デレっとする事(集英社『イミダス2006』,2005)。
- 普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃついてくるようなタイプのヒロイン、あるいは、そのさまを指した言葉(自由国民社『現代用語の基礎知識2007』,2006)。
- オタク用語から一般に浸透しつつある言葉で、普段はツンツンとしているが、ある条件下になるとデレデレといちゃつく状態や人物を指す(朝日新聞社『知恵蔵2007』,2006)。
- もともと好きな異性の前でデレッとしてしまいがちな女性がそうならないように自分を律してツンツンしているというように、一つの性格の中で移行するのが、ツンデレ(メディアファクトリー『ダ・ヴィンチ』,2007)。
ツンデレといえばこの人と代表される人物は以下の通りです。
ツンデレ女優:柴咲コウ
女優・歌手・実業家と幅広く活躍されている柴咲コウさん。
しかし勘違いしないでもらいたいのはこの人が「ツンデレ」というわけではないということです。
これは、柴咲コウさんが演じる役者として、たびたび「ツンデレ属性が似合ってる!」と言われているだけであり、本人はツンデレでもないそうです。
参考:『知恵蔵2007』125頁「ツンデレ」の頁より
ツンデレ女王:釘宮理恵
女性声優で、有名キャラクターの声を多く担当されている釘宮理恵さん。
こちらも本人がツンデレというわけではなく、演じているキャラクターのほとんどがツンデレキャラということもあって「ツンデレ女王」と呼ばれていますね。
ちなみに僕が知っている中ではこんな感じです。
- 金色のガッシュベル(ティオ)→純情タイプのツンデレ
- 学園アリス(今井蛍)→寡黙タイプのツンデレ
- 灼眼のシャナ(シャナ)→王道ツンデレ
- ハヤテのごとく!(三千院ナギ)→お嬢様タイプのツンデレ
- 緋弾のアリア(神崎・H・アリア)→王道ツンデレ
- ジョジョ3部(アン)→王道ツンデレ
かなりツンデレキャラを演じていることが分かります。
ツンデレの心理
ツンデレという特性は、一体どういったことが原因でなってしまうものなのでしょうか。
また、もともとツンデレである人は何を考えて態度を示しているのでしょうか。
単純に好意を持っている
一つはシンプルに「対象に好意を持っている」というパターンです。
特にメインヒロインとして出てくるキャラクターに多いわけですが、最初から好きであるパターンと、初めは嫌いでも段々仲が良くなって好きになるパターンでもツンデレ傾向は見られます。
ただ、「好きな人に自分が好きであることをバレたくない!」とか「自分だけが勝手に好きだったりすると恥ずかしい!」という理由から、表面上は「べ、別に好きじゃないし!全然関係ないから!!」といったバレバレな演技になるという流れです。
これがもっとうまくできる人は、おそらく寡黙タイプのツンデレが強い可能性があります。無口なら基本相手に好きだということがバレにくいですからね。
相反する行為による困惑
もう一つは、「別に本当に好きというわけじゃないけど、どう接したら良いか分からない」といった、自分らしさの崩壊による困惑から生まれるツンデレ属性です。
今まで振舞っていたやり方では、周りから良く思われなくなってしまったキャラクターの場合、「じゃあ自分はどう振舞ったらよいの?」という壁にぶち当たります。
柔軟な思考ができない堅物キャラに多く、アドリブが苦手だったりと色々弱点がありますが、そこに「萌え」の刺激が生まれるキャラクターもいるため、結果的に「ツンデレ」っぽく見えてしまうというわけです。
割とプライドが高いキャラクターもこうした現象によるツンデレが発揮されやすいため、チェックしてみると面白いですね。
現実としてはツンデレは微妙!?
しかし、実際ツンデレ属性は現実社会としてアリなのかといわれると、どうやら微妙な感じであるといった面白い研究が出ています。
甲南女子大学の研究によると、いわゆる「ツンデレ属性」と「ボクっ娘属性」はキャラクターを印象付けるための言語役割があるとされており、それを実際に生きている人に対して当てはめるのは難しいということが分かりました。
理由としては以下のように挙げられております。
- 現実の世界で行われている表現とは直接的に結びつかないというヴァーチャル性を持つ
- 特定の言語表現と指し示す人物像とに関連性がある
- 言語表現の指し示すのは人物の全体像ではなく部分的属性である
- 言語表現の指し示す属性は現実の世界における存在の裏付けがない
- 「属性表現」のされるキャラクターには性格の統一性がなく、キャラクターの破綻ともとれるような例がある
- 「属性表現」が一般的には知られていないものの、その属性自体が社会的な地位や職業として認識されることで役割後となる可能性がある
つまり要約すると
- 非現実的すぎる
- ツンデレの因果関係が出ており、性格とはいいにくい
- ツンデレ≠キャラクター
- 反動形成がツンデレだというエビデンスがない
- 例:ジャイアンが人を助ける(本来はいじめっ子だった)
- 「ツンデレ」という役割を演じてしまう
上記の通りです。
ツンデレはあくまで漫画やアニメのキャラクターの特徴として楽しむものだということですね。
現実でツンデレ属性を求めるのはあまり意味がありません。
まとめ:性格の裏側を考えてみると面白い
いかがでしたか?
今回はツンデレについていろいろと考えてみました。
とにかく現実でアニメのキャラクターを引っ張り出すのはなかなか印象悪くなるので、あまり期待しないでリアルでのつきあいを楽しむことをおすすめします。
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また、今回のおすすめの本では、ツンデレの作品を載せておきます。よかったらチェックしてみください↓
参考資料:西田 隆政(2010)「属性表現」をめぐって : ツンデレ表現と役割語との相違点を中心に (https://konan-wu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=893&item_no=1&page_id=13&block_id=17)